22歳の九月

 

映画を見て、涙を流したのはいつぶりだろうか。昔、親父が、タイタニックを見て、一人部屋で泣いていた。あの時は、分からなかった。愛とか、時間とか、チン毛も生えていなければ、自意識さえも芽生えていなかった。

 

 

今日は、買い物を終えた後、夕方くらいから映画を見ていた。クリストファーノーランが監督を務めたインターステラーという映画だ。映画を観る前に、一本抜いておいた。頭をスッキリさせるためだ。最初はよく分からなかったのだが、物語が進むにつれ、作品の輪郭と中枢が見えてきて、最後には、感動して泣いてしまった。AVを見たことを少し後悔した。

 

 

最近、他にもいくつか映画を見たので、自分のメモのために列挙しておく。面白かったやつは、簡単な感想も添えて。

 

 

リトルミスサンシャイン

なんか、面白いとか、面白くないとか、以前に、すごく好きな映画だった。たまに見返したくなると思う。救いはないんだけど、なぜか見終わった後に、頑張ろうと思える。

 

 

アレックス

これは、中々に、前衛的なフランス映画。時間逆行は、映画でよく使われる手法だが、それの持ち味を実に効果的に用いていると思った。設定とテーマは単純明快なのだが、映像が、よく言えばかなりユニークで、悪く言えば、前衛的すぎる。観る人が観ると、なんだこの、b級映画はと、思うだろう。映画の途中で、5分間ノーカットのレイプシーンが出てくるが、あまりにリアルで、さすがの俺も目を背けた。芸術の国フランス。やるときは、とことんやる。胸糞映画だが、見終わった後の心は、妙に、切なく透明だ。

 

 

インセプション

これは映画館で見た。まぁ悪くはなかった。単純に画が見ていて面白かったし、話の設定も、すごくアイディアに富んでいる。ただ、話を理解しようとするあまり、感情移入ができず、見終わった後の余韻が今ひとつだった。結局何を伝えたいのかが、よく分からなかった。あと主人公の行動動機が、ツッコミどころ満載。まぁ、娯楽映画と割り切れば、観る価値はあると思う。

 

 

ヘンリー

実際の連続殺人犯を元にした映画。映画見終わった後に、本棚調べたら、彼に関する文献が一つあったので読んだ。こりゃあ映画にもしたくなるわな、と思った。人をバタバタ殺していく姿が、とても淡々と描かれているのが、すごく斬新で、薄気味悪かった。

 

 

情婦

クラシックと呼ばれる類の、とても古い白黒映画。アガサクリスティが原作なだけあって、プロットがしっかりしており、推理小説を読んでいるような感覚を味わうことができる。会話のテンポがよく、見ていて飽きない。オチもしっかりあるし、やっぱり、良いものに、古いも新しいもないんだなと改めて思った。

 

 

サイコ

これも白黒映画。サスペンスの元祖、みたいな謳い文句だったので、あまり、面白くはなさそうだったが、勉強のために見た。まぁ、今でこそ、やり尽くされた手法であるが、当時はかなり斬新だったのであろう。先ほど紹介した情婦の方が、圧倒的に面白い。

 

 

ドーナッツホール

うーん。いまいちだな。テーマはいいんだけど、すごく安っぽい。終わりかたも、はい、泣くところですよー感がすごすぎて、全然泣けなかった。

 

 

 

ボーダライン(1,2)

大人のアクション映画って感じかな。メキシコの麻薬戦争がテーマで、終始、独特の緊張感があり、とても面白かった。1,2見たけど、自分的には1の方が好きだった。2も悪くないんだけど、ちょっと、最後の方で失速した感があった。

 

 

ナイトクローラー

テーマがすごく現代的。そして何より、脚本のギアの入れどころが、すごくうまい。最初は、少しダラダラしているが、最後の最後でどんどん加速していき、気づいたら画面に釘付け。とても面白かった。

 

 

 

インターステラー

久しぶりに映画で泣きました。

 

 

 

 

明後日は、友達とTENETを観にいく。すごく楽しみ。映画って素晴らしいな。

 

 

 

 

 

先週は、何か大きな外的ストレスが、あったわけではないが、ひどく心が落ち込んでいた。ほとんど研究室もサボって、ずっとベットの上で、寝転がって、汚い壁を見つめていた。夜も全然寝れなくて、夜中に起きては煙草を吸って、暗闇の中で音楽を聞いて。百均のイヤホンから流れてくる音の質は最悪だったけど、美しかった。誰だって、たまに、あるだろう。心が内側から、崩れていく時が。先週は、そういう時だった。

 

 

 

昨日、やっと、崩れかけていた心が立ち直って、少し前向きになれた。だから、今日、買い物もしたし、映画をみて、泣くこともできた。

 

 

 

 

明日は部屋の掃除と洗濯をしよう。

 

 

 

22歳の九月。風が少し涼しくなった。