1000mL

 

鼻水が止まらない。ティッシュがないので、トイレットペーパーで鼻をかんでいたら、鼻の周りが真っ赤になった。薬のせいで、頭が朦朧とするし、すぐに喉が乾く。最悪の一日である。

 

 

ここ一ヶ月間、かなり忙しかった。授業やゼミの発表が重なり、毎週資料作りに奔走していた。やっと、山場を超えた。きつかった。気づけば、五月も終わりそうである。毎年五月は苦しい。

 

 

それらと、並行して曲を作っていた。マンドリンサークルの一つ下の後輩たちから、作曲の依頼を受けた。サークル在籍時、趣味で何曲か曲を作って部内演奏会などで演奏していた。そういった経緯から、作曲の依頼を受けた。「私たちの卒業演奏会にも、曲を作ってください」と。

 

 

二つ返事でokしたものの、曲が完成する確証はどこにもなかった。思えば、誰かに頼まれて、曲を書くなんて、人生で初めてのことだった。正直、少しプレッシャーを感じた。

 

 

 

作り始めはよかったものの、途中で壁にぶち当たり、何度か本気で嫌になりかけた。なんのためにこんなに必死になっているんだと、汚い気持ちにもなった。本当に汚い人間だと思った。

 

 

つい先日、曲が一応完成したのだが、完成した曲が、良い曲なのか、どうなのか、未だに自信が持てない。後輩たちに、楽譜を送り、仕事が終わった。ありがとうございますという文字を見て、汚い気持ちが、少しだけ和らいだ。一人寂しい戦いであった。きっと第三者からは、物好きな人間もいるんだなと、好奇な目で見られているのだろう。

 

 

 

時間ができたので、映画を見たり、溜まっていた小説を見たりしている。クリントイーストウッドの作品にハマった。やっぱり映画と小説と音楽は、自分の人生にとって、最大の娯楽である。

 

 

 

研究室に、行っても未だに喋る同期は一人もおらず、後輩からは、不気味がられ、教授たちからは完全に見限られた。だが、もうなんとも思わない。慣れというのは、怖いものである。今では、誰かと喋ることの方が億劫になってきた。指導教員のおっちゃんとだけは、できるだけ、頑張って仲良くしている。このおっちゃんと、喧嘩をしてしまったら、俺の研究室生活は完全に破綻するであろう。多少のむかつきは、呑み込むようにしている。バイトを二回クビになった経験はしっかりと生きている。

 

 

 

最近よく聴いている曲を貼って結びとする。とにかく、孤独な一ヶ月であった。

 

 

 

 


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