光るささおくん

 

笹尾くんと遊んだ。最後に遊んだ友達も笹尾くんで、なんだかんだ、3ヶ月も一人でいたんだなと思った。楽しいことあった?と聞かれて、何も言えなかった。

 

 

雨の中、二人で映画館まで歩いた(30分。映画のチケットを買ったあと、マックで暇を潰した。キャラクターという映画を見たのだが、出来は微妙だった。帰りにラーメンを食った。笹尾くんは、ガキんちょなので、コーンバターラーメンを食べていた。普通にそっちの方が美味しそうだった。

 

 

帰りも、電車に乗らず、歩いて家まで帰った。雨はまだ止んでいなかった。

 

 

笹尾くんは、最初から泊まる気満々で、2Lのお茶を買ってきていた。風呂上がったら、もう寝てた。あまりにも、ぐっすり寝ているものだから、そっとしておいた。

 

 

tetoのギターとドラムがやめた。tetoは、俺にとって、大学生活を、象徴するような、大好きなバンドで、笹尾くんとよくライブにも行った。

 

 

やっぱり光るまちが一番好きな曲で、若さ、焦燥、哀愁、そんなものが、ギュッと詰まった最高の曲だと思う。大学一年生の頃に笹尾くんとよく遊んでいた。カラオケに行って、ライブに行って、酒を飲んで、泊まって。。。過ぎ去ってから改めて聞くと、少しこみ上げてくるものがあった。あの時は、何も考えずに、毎日が楽しかった。多少、憂鬱なこともあったけど、それでも、今に比べれば、張り合いのある憂鬱だった。研究だとか、就職だとか、自分の将来だとか、そんなことばかり考えている今に比べれば、っていうのは、錯覚なのか。。。

 

 

 

笹尾くんが、寝ている側で、光るまちを弾いていた。「思い出せば一昨日くらいに思えるあの日たちは、埃を被って日焼けした小説の一部にごとくになっていく。。。」。

 

 

 

翌朝、一緒に、換気扇の下で煙草を吸って、大学に、向かった。今日を懐かしむ日が、いつかくるのだろう。そんなことを思いながら。笹尾くんに手を振った。光るまちを離れる、彼に、手を振った。

 

 

 


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