2022/7/10

 

夜の静かな風が吹く頃に、信号を待っていると、隣にいた女子高生たちが、恋バナをしているのが耳に入って来た。「わかる、顔がいい」、「〇〇くん、いいよね」。などと。買ったばかりの乾電池とファブリースの液体をポケットの奥に押し込んで、いくら押し込んでも、はみ出して、早く信号青になってくれねぇかなと思う。そっか夏だもんな。夏なんだもんな。いつのまにか。遠くで轟音が鳴って、信号が青になった。空が光った。

 

 

部屋でタバコを吸っていたら、チャイムがなり、訝しみながら出てみると、宗教のチラシを持った小太りのおばさん。「おやすみのところすいませ、、」バタン。挨拶もそこそこにドアをぴしゃりと閉めて鍵をかけると、向こう側から何やら訳の分からない呪詛の念が聞こえて来る。アホか、と思いながら、もう一度タバコに火をつける。今日はまた一段と暑い。何もしていないのに背中が汗ばんでくる。ツタヤにDVDを返しにいくのと、ブックオフ漁り、あと半ば強制的に入会させられた機械学会の入会金を払うのと、、、来週の研修会の事前課題、と言った感じで、頭の中で、土日のうちにやらなければいけないことをリストアップしながら、整理していく。いや、それにしても暑い。リストの最後に「アイスを買う」を追加して、立ち上がり着替えを済ます。もっぱら最近は日よけの意味と寝癖隠しで、帽子をかぶっているのだが、今日も今日とて、なんとも垢抜けない、小学生のような帽子をかぶり、ダサいサンダル引っ掛け、外界へ。

 

 

扇風機の風を間近で(ほぼ体に押し当てながら、晩飯の麻婆豆腐をかっくらい、テキトーに切ったゴロゴロトマトで口直し。水をラッパ飲みし、ひたいに滴る汗をティッシュで拭って、食器を流し台へ。タバコを一本吸い、しばし呆然としたのち、食器を洗い、またぞろタバコに火をつける。壁にいた小さな蜘蛛を圧死させ、ゴロゴロと横になる。