hard to concentrate

 

帰り道、傘をささずに自転車を漕いでいたら、女子高生集団に爆笑された。ずぶ濡れ、メガネは曇っていて、Tシャツ一枚、彼女らは雨の中笑っていた。なぜか人間は、自分より弱いものを見て、笑う。

 

 

 

昨日は朝からWebインターンがあった。名古屋大院で化学を専攻している女学生と、同じグループになったのだが、考えてみれば、女の人と喋るのは1ヶ月ぶりくらいであった。当たり前のように彼女は頭が良かった。それだけでなく、空気を読むことにも長け、育ちの良さも感じた。自己紹介の時に、趣味は「水引」と言っていた。

 

 

 

メガネをかけ、痩せていて、化粧っ気はほとんどなく、見た目は完全にガリ勉女子なのだが、そういった女子にありがちな偏屈と傲慢さは、全く感じなかった。むしろ、秋の木漏れ日を、思わせる、そんな柔らかな光が彼女を包んでいるようだった。つまるところ、本当のインテリ女子というのは、こういう人のことを言うのだと思った。

 

 

 

 

グループは、4人で、彼女と自分の他の二人も、国立の大学院生だった。彼らも賢かった。ある程度、書類の段階で、篩に掛けてはいるのだろうが、明らかに頭脳の高さを感じた。論理的思考力、空間把握能力、先を読む力、言語化能力、規則性の把握etc.

 

 

 

最初はお互いに遠慮がちで、緊張のせいか、上手くことが進まなかった。だが徐々に緊張が解け始めると、考えの共有と分担がスムーズにできるようになった。最終的には笑いながら課題を進めることができ、無事、正解まで導くことができた。

 

 

初めて会った理系同士で、短期間のうちに、結果を出す。ひどく疲れたが、スリリングであり、楽しんでいる自分もいた。

 

 

 

 

曲がりなりにも、自分が理系大学院生であることを自覚した。結局のところ、俺には、清潔感も、道徳も、身長も、抜群の運動神経もない。だが、それなりの頭脳があるのである。社会に揉まれ、歪な形に変形してしまった、頭脳が。彼彼女らが、青春を謳歌し、流行りのPopsに己の優越感を投影している時、90sのオルタナで劣等感の底に沈んでいた頭脳が。そう、俺には頭脳があるのである。だが、恋愛は残酷だ。頭脳など恋愛にはなんの役にも立たないのだ。いくら頭をひねっても、どうしたって、1+1が2にならない、ずっとゼロのままなのだ。そして、女子高生に笑われるのだ。この世界は残酷だ。

 

 

 

 

 


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